ホクロは一般的な呼び方で、大きさや、色の濃さ、隆起の有無など、見た目も様々です。生まれつき数個は誰にでもあり、健康被害を及ぼすものでもないので、あまり気にされない方が多いですが、ホクロができている場所や見た目によってはコンプレックスになってしまっている方もいらっしゃいます。また後天的にホクロができる場合もあります。
ホクロの治療は基本的にメスで切除かレーザーによる焼灼のどちらかですが、治療の際には皮膚の下にあるホクロの根となる細胞まで除去をしなければいけません。切除の場合は線状の瘢痕が残ります。レーザーの場合は皮膚の下まで治療をする必要があるため、術後には皮膚に小さな穴が開きます。しかし、術後に開いた穴は自然治癒力によって徐々に創傷治療されて塞がっていきます。
ホクロ自体は健康に影響を及ぼしませんが、ホクロかと思っていたら実は悪性の皮膚がんの一種であった、ということはまれにあります。ホクロが急に大きくなったり、形が崩れて出血したりするなど違和感を感じたらすぐに皮膚科医師に診断をしてもらうようにしましょう。当院では除去時にできるだけ病理検査をお勧めしています。
【レーザー治療】
炭酸ガスレーザーを用いることによってホクロを気化させて除去します。ホクロ以外の皮膚を傷つけることなく、更に5〜10分程度で終わる手術であるため、安全で簡単にホクロ除去まで至ることができます。しかし、ホクロの直径が5~6mmを超えてしまう場合は治癒に時間がかかるため適していない、などといったデメリットもあります。
【メス切除】
メスや電気メスを用いて直接ホクロを切除します。レーザー治療では処理し切れないような大きなホクロを除去する際にこの治療方法は適しています。皮膚を全層で切り取るため再発の可能性はありません。形成外科的に細い糸で丁寧に縫合します。抜糸までは5〜7日の場合がほとんどです
【トレパンによるくりぬき法】
背中や腹部の6mmまでのホクロは局所麻酔の注射をして、トレパンの円形刃でくりぬいた後1−3箇所縫合すると簡単に除去可能です。体の皮膚は顔に比べて厚みがあるためレーザーで取ると再発しやすく。トレパンを選択することも多いです。
基本的にどの方法でもホクロ除去手術跡はあまり目立たないです。稀にケロイド体質の人などは傷跡が赤く盛り上がる場合があります。
どの方法でも傷が完全に消えることはありません。ホクロのできている場所、大きさ、皮膚の厚みなどを考慮して、できるだけ傷の目立たない取り方をお勧めします。
レーザー治療の場合もメスによる切除手術の場合も麻酔を行いますので、注射の痛みだけで、手術中の痛みはありません。